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紙の原料について

​硯のお手入れ

How to care Inkstone

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 硯はどうやってお手入れする?

 硯がダメになったから硯を買いにいらっしゃったお客様から言われたことがあります。その方は一度も硯を洗ったことはなく、墨が固まってきたので買い換えたいとおっしゃっていました。ちゃんと手入れをよろすればまだ使えそうだったので、使った後の手入れの仕方をお話したら喜んで帰られました。石硯は手入れをちゃんとしていれば永く使えるものなので、しっかり手入れをしていただきたいと思います。しかし、どうやって洗うのか、手入れをするのかご存じでない方が多いようです。おそらく小学校の書写の授業(教育課程では「書道」ではなく「書写」といいます)で筆や硯は使っても、その場では洗わずにもちかてってから家庭で洗うことにしているからかもしれません。学校で筆や硯の洗い方は教えてくれないのです。それと、そのあとも書道教室に通う方もいらっしゃりますが、そこでは先生が硯を洗っていたり、プラスチックの墨池を使用していたりするので、洗っている場面を見たことがないという方が大半を占めているかかもしれません。

 こちらでは硯の手入れの仕方を簡単にお話ししたいと思います

 硯を洗う時に絶対にしてはいけないこと

 硯石を洗う際に絶対にやってはいけないことがあります。

 

× お湯で洗う ×

 墨の原料の膠は70度くらいで溶けるので、お湯で洗うと汚れが落ちやすくなるのですが、硯石には気体を含む石層が含まれていたり、目に見えない細かいヒビが入っていることがあって、お湯で石を温めてしまうと、そこに含まれる気体が膨張して割れてしまうことがあります。洗う際は必ず水または人肌程度のぬるま湯を使ってださい

 

× タワシやブラシを使う ×

 硯に使われる石は比較的柔らかく、ちょっとしたことでも傷が付きます。タワシやブラシを使って洗うと表面に細かい傷がついてしまいます。最近は研磨剤が付いているスポンジもあるようなので、スポンジも使わないほうがいいかもしれません。もし傷を付けてしまった場合は改刻すれば直すこともできますが15,000円程度かかってしまいます

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​プラスチック製の学童硯や墨池、セラミック製の硯などはお湯とタワシでゴシゴシ洗っても大丈夫です

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​※プラスチック製の学童硯はこちら

※墨池はこちら

​※セラミック硯はこちら

 硯はどうやって洗う?

 硯を使い終わったらまず硯に残っている墨液を紙などで吸い取ってください。書き損じの紙などがいいと思います。次に流水で簡単に洗い流したあとバケツなどに水を張りその中で脱脂綿などを使って洗うときれいになります。最後にすすいでから水分をふき取り、日の当たらない場所で乾かせば終了です。

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 使ってすぐに洗う場合はとても簡単ですが、面倒だからといって何日か経ってから洗おうとすると簡単に汚れは落ちなくなります。磨墨液は水分を含んでいる間は比較的簡単に洗い流せますが、一度乾燥してしまうとプラスチックのように固まってしまいます。その場合はぬるま湯を張ったバケツに硯を浸けておいて膠分をふやかしてから脱脂綿などで洗ってください。何回も何回も繰り返さないと固まった墨は落ちないので、根気よく洗えばいつかはきれいに汚れは落ちます。​

​ 墨液を使った場合は

 墨液(磨った墨ではなく液体墨)を使った場合は、使用後すぐに洗ってください。洗い方に変わりはありません。墨液には防腐剤など含まれていますが、その防腐剤が固まってしまうと硯面をコーティングしたようになってしまい、墨を磨ることができなくなります。磨った墨と違い薬品なので一度固まってしまうと砥石などで削らなければ落ちません。磨っても濃くならない場合はこれを疑ったほうがいいです。墨液を使用する場合は、墨液専用の硯を用意するか墨池などを使用することを勧めします。また「墨液と墨を磨り合わせている」とよく聞きますが、これも同じで墨が磨れなくなる場合があるので、磨った墨に墨液を入れてご使用されることをお勧めします。

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※硯用の砥石はこちら

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